オーバーツーリズム スイスの場合は限定的

ドイツ語記事を見ていると、”オーバーツーリズム”もいろいろな言い方をします。

Overtourism(英語そのまま)、Übertourismus、Massentourismusなど。

とにかくたくさんの観光客であふれているといった感じですね。

スイスでとくにこのオーバーツーリズムに遭遇している場所は・・・

 

Lauterbrunnen ラウターブルネン

ベルナーオーバーランド地方にある小さな村。シュタウブバッハ滝を見にたくさんの人が押し寄せます。

時には、住民をまるで野外博物館の展示物のように見て、そこら中踏み荒らしていくとか。

 

Luzern ルツェルン

ここは某アジア系の人たちに大人気です。

有名なライオン像の周りにはたしかに大勢いました爆  笑

このカぺル橋、30年ほど前に、観光客のたばこのポイ捨てが原因で火事になっちゃったんですよー。すべて木ですから、全焼だったと記憶しています。これは再建されたものです。

他には、Jungfraujoch ユングフラウヨッホ・Zermatt ツェルマット も、観光客で混み合う定番です。

 

そして、ネットフリックスドラマ「愛の不時着」で有名になった静かだった村

Iseltwald イゼルトヴァルト

とくに船着き場で自撮りしたい観光客が毎日数百人来ていたそうです。

ゴミが増えたりすることはどこでも嫌でしょうが、私はスイス人が嫌うのは、静けさが失われることのように感じます。

彼らはとにかく自然のまま、静けさ、ということをとても大切にしていると思います。

観光と住民の生活のバランスをどうやって解決したのか・・・2023年4月からは、船着き場の入り口にゲートが設けられ、入場料5フランが必要になったそうです。

これには、地元も観光客もおたがい満足しているとのこと。さらに、シーズンオフでも観光客が来るようになったことは喜んでいるようです。

地元民はわざわざ特定の船着き場で写真を撮ったりはしませんので、観光客にほぼ限定して課金できるというところがいいですね。

 

イゼルトバルトは遠い昔に、滞在したことがあります。

当時は観光客はほぼ見かけず、それはひっそりとした静かな場所でした。

本には「あまり知られていない静かな村」として小さく紹介されている程度でした。早朝まだ暗いなか、地元のおじいちゃんが湖のほとりを、大音量のラジオを聴きながら散歩をしていたのが忘れられません笑。 静かな村?? でも、とても地元っぽさを感じました。これも含めて、ここの人たちの日常なんでしょうね。

 

スイスの場合、オーバーツーリズムに遭遇する場所はある程度決まっている感じです。

In der Schweiz gebe es keinen “Overtourism”. スイスにはオーバーツーリズムはないですよ。

 

Nur eine Minderheit von 5 Prozent der Befragten mache sich Sorgen wegen des Tourismus. (swiss.info ) 観光について心配していると答えたのは、回答者のたった5%。

 

Die Probleme in der Schweiz sind vergleichsweise klein und lokal begrenzt. Das Ferienland Schweiz ist vergleichsweise teuer.(NZZ) スイスのオーバーツーリズムの問題は、他と比べるとそれほど大きくないし限定的。スイスという観光地はなんていっても ”高級” だからね。(だれもかれもが簡単に休暇場所として選べるわけではないよねー、みたいな)

 

スイス人としても、まあそこは混むよね。という感じなのでしょう。

彼らの多くはスイス以外で休暇を過ごしていますし。

 

Über das ganze Jahr gesehen sind die Schweizer Hotels aber nur rund zur Hälfte ausgelastet. (swissinfo) 一年通してみると、スイスのホテルは半分の稼働率しかない。

 

Diese wenigen Hotspots prägen jedoch das Bild des ganzen Ferienlandes, obwohl die Auslastung der Schweizer Hotels 2023 nur bei rund 50 Prozent lag.(NZZ) 2023年スイスのホテル稼働率はおよそ50%だったのに、いくつかの場所でのオーバーツーリズムが、スイス全体の印象を作ってしまっている。

 

スイスのホテルの稼働率は意外です。

自分でも言っているように、休暇として選ぶには高級ですからね。

観光立国としてスイスは観光客慣れしているかつ、観光客の”あしらい方”も上手だと思います。自分たちの生活環境はしっかりと確保して、押し寄せる団体客にも動揺せず、スイス人としての誇りをもって接している・・・はず。わたしの妄想です!

 

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

上部へスクロール