2月2日ベルリンでの大規模デモ

AfDとドイツの政治構造

 

ドイツでは政党AfD(ドイツのための選択肢)は極右といわれています。

 

  • AfDは移民や難民の受け入れに強く反対し、「ドイツを守る」ために厳格な入国制限や国外退去を求めている。

 

  • 2015年のメルケル政権による大量の難民受け入れに対し、AfDは「ドイツの文化が破壊される」と批判

 

  • AfDの一部の政治家は、「ドイツ人のアイデンティティ」や「伝統的な価値観」を守ることを強調。

 

  • EUの統合やグローバリズムにも懐疑的で、「ドイツ第一」の姿勢を示している。

 

  • ドイツの国内情報機関である憲法擁護庁(BfV)は、AfDの一部を「極右勢力」として監視対象にしている。

 

  • メディアはAfDを「民主主義の敵」「極右」と位置付け、批判的に報道することが多い。

 

  • 他の政党もAfDと連立を組むことを拒否し、AfDが支持する政策には反対する傾向がある。

 

  • 歴史問題に対して非常に敏感になっており、ナショナリズム的な発言や移民排斥のように見える主張は「極右」とされやすい。

 

という背景があることを先に書いておきます。

 

現首相のオラフ・ショルツ氏が所属するのは、国政与党SPD(社民党)。

最大野党は、CDU/CSU(ドイツキリスト教民主・社会同盟)。

前首相のアンゲラ・メルケルはここです。

 

以下、ラジオで聞いた、ドイツ在住ジャーナリスト川口マーン恵美さんの話の抜粋です。

 

 

移民政策と最近の事件

 

  • クリスマスマーケット突入事件
  • ゾーリンゲンの襲撃事件
  • バイエルン州での幼児殺害事件

 

2024年のクリスマスには、クリスマスマーケットにサウジアラビア出身の男が(難民認定)車で突入し、子供、大人が死亡、数百人が負傷。

また、8月にはゾーリンゲンで、男が刃物で人々を襲い、死者、負傷者がでた事件もあった。この事件の容疑者は「イスラム国」のメンバーである疑いがあり、シリア国籍だとか。

つい先日、ドイツバイエルン州の町でも、アフガニスタン出身の難民申請中(出国を希望し手続きは停止中)の男が、公園で遊んでいた2歳男の子を殺害。助けようとした41歳の男性も死亡という事件が起きた。

 

 

CDUとAfDの協力、そして否決

 

  • CDUがAfDと組んだ決議案提出
  • 社民党と緑の党の反発
  • 結局、法案は成立せず

 

この事件をきっかけに、最大野党のCDUは大嫌いなAfDと組み、移民政策厳格化の決議案を出し、これは可決された。

しかし、SPD(社民党)と緑の党がこれに猛烈にイチャモンをつけ、これにビビったCDUの一部の議員や他党の議員も反対に回るなどして、僅差で法案は否決。

CDUはAfDと組めば、何か言われることも覚悟の上、移民政策厳格化の決議案を出したが、結局否決という結果に。SPD、緑の党はいまも、難民受け入れを推進中だとか。

 

 

2月2日のデモと世論の分裂

 

  • CDUのメルツ党首への批判
  • 難民問題が「民主主義の危機」にすり替えられる?
  • AfD支持は表立って言えない社会

 

2月2日のデモは、反AfDと、AfDと組んで法案を成立させようとしたCDUメルツ党首に対しての抗議。

報道ではベルリンだけで16万人が参加。(主催者側は25万人とも言っている)

「AfDと組むなんて!民主主義が破壊される!」と、難民問題はどこへやら。難民問題が民主主義の破壊へとすり替えられていると。

 

AfDにしてみれば、移民問題はずっと言い続けてきた。

CDUがあげてきた法案は、自分たちがこれまで言ってきたことのコピーではあるものの、いいものには賛成しようと。

しかし、賛成しようと言ったとたん、SPDと緑の党が「これからドイツはナチの国になる~!」と。

 

これに乗った国民が今回のデモに参加したのでは。

国民は半分に分かれてしまっている。

デモ参加者か、家でテレビでデモを苦々しい思いでみている人か。

どちらが多いかはわからない。AfD支持とは大っぴらには言えないのである。そんなことを言えば、社会で生きづらくなってしまう。だまって選挙ではAfDに投票するだろう。出口調査もあてにはならない。

 

 

メルケルの介入

 

  • メルツとメルケルの確執(CDU)
  • メルケルの過去の難民政策
  • 目的は移民政策ではなく、メルツ潰し?

 

ここにきて突然、口を出してきたメルケル。

アンゲラ・メルケルと後継のメルツ党首は大変仲がわるい。

「メルツがAfDと組んで決議案を出したのは間違いだ」と、これまで息をひそめていたメルケルが、ここにきて宿敵メルツを攻撃。(同じ党なのにね・・・)

そもそも、メルケルが2015年に突然、難民受け入れを始めたのだ。その事は棚にあげて「メルツけしからん」とは驚き。

メルケルも難民問題など考えてはいない。目的はメルツを潰すことだけか。

 

 

以上が抜粋です。

そういえば、AfDのアリス・ヴァイデルが言っていた・・・。(CDU)メルツはぜったいに私にあいさつしないんだよーって笑。一度もあいさつを返してくれたことないって・・・。

同じ党のメルケルとも不仲で、大変だね、メルツさん。

AfDのアリス女史とあいさつをしないってことは「自分たちは極右とは違う」ということを、表にアピールしているのでしょうね。

しかし、今回はさすがに事件をうけてAfDと組み、移民問題の厳格化に進もうとしたのに、結局否決されたのは残念です。

デモに参加している人は、この問題どうしたいのでしょうか。

 

おっと、あまり書くと私も社会で生きづらくなるのか!?

今月のドイツ選挙をとても注目しています。

 

 

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

上部へスクロール