ドイツ語なんて一つもわからずに行ったスイス
今から32年前、外国にとても興味があった私は、偶然スイスで生活するチャンスを得ました。到着したその場所はドイツ語の世界でした。その時が初めてのドイツ語との出会いです。スイスはドイツ語圏、フランス語圏、イタリア語圏などがあります。もしフランス語圏だったらフランス語を学んでいたでしょう。と、こんな具合ですので、とくにドイツ語を勉強したくて行ったわけではありません。外国とはどういうところなのかに興味があり、その勢いで行ってしまったわけです。
行けばなんとかなると当時よく言われましたが、なんともなりませんでした。それなりに苦い経験をし、ホームシックになりながらもどうにか少し理解できるようになったものの、始めにつまずいたことはいつまでも苦しい思い出として残っています。もし過去にタイムスリップできるのであれば、少なくとも最低限の予備知識はいれていくでしょう。
その土地が忘れられない場所になるかどうかはやはり、人との出会いにあると思います。私にもドイツ人先生との出会いがありました。彼女とはドイツ語で話していても、心で話しているような感覚でした。すっと理解できるのです。(先生なのでわかりやすく話してくれたのでしょう)先生とスイスのいろんな場所へ出かけるようになると、私のスイス生活は急にカラフルになってきました。そのころから漠然と、いつかドイツ語を教えてみたいと考えるようになりました。
しかし、帰国してからはドイツ語とは関係ない仕事をし、ときには人生のあれやこれやでドイツ語とは疎遠になったものの、なぜか放り出すことができず、細々と独学で続けてきました。10年ほど前から本格的に再勉強し始め、夫の転勤先の名古屋で二人目のドイツ語の先生との出会いがあり、講師をやってみないかとお誘いをいただきまして、現在に至っています。
まだまだ講師としては未熟ですが、いま自分にできることを精いっぱい伝えています。語学学習は一生続けても完璧になることはないと思っていますので、私もいまだ勉強の途中にあります。私自身がつまずいたところや感じたことをレッスンで活かしていけるよう、テキスト作りや言葉がけを大切にしています。
「いまの自分にできることを一生懸命にやる」を軸としてフォルヒドイツ語教室を開催しています